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地域経済鹿嶋市・神栖市・潮来市

新カシマスタジアムを「試合の日だけの施設」にしないために。県のアンケートが聞いていること

茨城県が2026年8月28日、新カシマサッカースタジアムの基本計画検討に向けたアンケートを開始しました。9月15日まで。非試合日の利用意向まで尋ねる調査の中身と、スタジアムを試合の日だけの施設で終わらせないために要る条件を、鹿行地域の回遊まで含めて考えます。

イバトコ編集部
試合日だけに人が集まる状態から、非試合日にも会場と周辺地域へ人が訪れる状態へ広げる考え方を、年間の接点として示した図

01 / CONCLUSION

結論

茨城県が2026年8月28日、新カシマサッカースタジアムの基本計画検討に向けたアンケート調査を始めました。実施期間は9月15日まで。新スタジアムへの期待、現スタジアムの課題、そして非試合日の利用意向までを聞く内容です。県は「新スタジアム整備の賛否を問うものではない」と明記しています。スタジアムの地域価値は、試合日の観客数だけでは決まりません。年に何十日かの試合日以外に人が訪れ、周辺へ消費が広がる仕組みを設計できるかどうか。アンケートに非試合日の項目が入っていることは、そこを考える入口になります。

02 / KEY POINTS

この記事でわかること

  • 茨城県が2026年8月28日、新カシマサッカースタジアムに関するアンケート調査を開始。実施期間は9月15日(火曜日)まで
  • 調査項目は、新スタジアムへの期待と重視してほしい機能やサービス、現在の県立カシマサッカースタジアムの利用状況や課題、非試合日における利用意向、新スタジアムが地域にもたらす効果への期待
  • 県は「本アンケートは、新スタジアム整備の賛否を問うものではなく、基本計画の検討に当たり、皆様のご意見やニーズを把握するために実施するものです」と明記している
  • 回答できるのは県民、鹿島アントラーズのサポーター、新スタジアムに関心のある方など。回答はウェブフォームから
  • 建設地、規模、座席数、事業費、完成時期は、県の公式ページに記載がない。基本計画の検討はこれから
  • 担当は政策企画部地域振興課鹿行地域

03 / WHAT HAPPENED

何が起きた?

茨城県は2026年8月28日、「新カシマサッカースタジアムに関するアンケート調査を実施します!」を公表し、同日からアンケートを開始しました。実施期間は2026年8月28日(金曜日)から9月15日(火曜日)までです。県は目的を「新スタジアムに期待する機能や役割、地域にもたらす価値などについて広くご意見を伺うため」としています。調査項目は、新スタジアムへの期待や重視してほしい機能・サービス、現在の県立カシマサッカースタジアムの利用状況や課題、非試合日における利用意向、新スタジアムが地域にもたらす効果への期待の4点です。回答できるのは県民、鹿島アントラーズのサポーター、新スタジアムに関心のある方などで、ウェブフォームから回答します。担当は政策企画部地域振興課鹿行地域です。なお、新スタジアムをめぐっては2026年8月5日に第1回の基本計画検討有識者会議が開かれたと報じられており、茨城大学の熊澤貴之教授ら5人の委員が出席、現在のスタジアムは老朽化による維持管理費の増加や安全性が課題とされています。報道によれば、2027年1月以降に基本計画をまとめ、パブリックコメントを経て設計・着工に進み、2033年の開業を目指すとされています。

04 / CHANGES

具体的に何が変わる?

このアンケートは、賛否を採る住民投票のようなものではありません。県は「本アンケートは、新スタジアム整備の賛否を問うものではなく、基本計画の検討に当たり、皆様のご意見やニーズを把握するために実施するものです」と明記しています。つまり、いま出せる意見は「建てるか建てないか」ではなく「どう使える場にするか」です。回答は9月15日で締め切られます。また、建設地、規模、座席数、事業費、完成時期といった具体的な内容は、県の公式ページに記載がありません。基本計画はこれから検討される段階であり、現時点で確定した仕様として語れるものはない、という前提で読む必要があります。開業目標として報じられている2033年までには、まだ数年の幅があります。

05 / EDITORIAL VIEW

イバトコ編集部の解説

(以下は発表内容ではなく、イバトコ編集部による考察です。)今回の調査項目で注目したいのは「非試合日における利用意向」が明示的に入っている点です。スタジアムは、年間の日数で見ればほとんどの日が試合のない日です。試合日の観客数だけで地域価値を測ると、残りの大半の日が空白のまま計画に組み込まれてしまいます。逆に言えば、非試合日をどう使うかは、建物の形が決まる前でなければ設計に反映しにくい部分でもあります。飲食、イベント、健康づくり、観光、地域産品の販売、宿泊との組み合わせ。どれも「箱ができてから考える」と、動線も設備も後付けになりがちです。基本計画の検討段階でこの項目が聞かれているのは、意見を出す側にとっては数少ない好機だと考えます。同時に、いま出ている情報だけで完成像を語ることはできません。建設地も規模も事業費も公表されていない以上、期待を並べることと、決まったことを伝えることは、はっきり分けて扱う必要があります。

06 / LOCAL IMPACT

地域への影響

(以下は発表内容ではなく、イバトコ編集部による考察です。)スタジアムを訪れた人の消費が鹿嶋市の中だけで完結すると考えると、設計の視野は狭くなります。鹿行地域は鹿嶋市、潮来市、神栖市、行方市、鉾田市の5市で、鹿島アントラーズはこの5市をホームタウンとしています。試合前後の食事、宿泊、翌日の行き先までを含めれば、人の流れは市境をまたぎます。非試合日についても同じことが言えます。平日に会場を使う催しがあるなら、そこへ来る人の移動手段と滞在時間が、周辺のどの事業者に届くかは交通アクセスの設計に左右されます。逆に、周辺に立ち寄る理由が用意されていなければ、来場者は会場と自宅の往復で終わります。スタジアムの価値を地域の側から見るということは、建物の中の機能だけでなく、そこから外へ出ていく動線まで含めて考えるということだと、私たちは捉えています。

07 / FOR BUSINESSES

地域事業者への示唆

  • 鹿行地域の飲食・宿泊・小売の事業者は、9月15日までのアンケートで「非試合日にどう使いたいか」を具体的に書ける立場にある。基本計画の検討段階で出された意見は、建物の形が決まったあとより反映される余地が大きい
  • 自社が試合日にどれだけ来客を得ているか、非試合日との差がどれくらいあるかを数字で把握しておくと、今後の説明や連携の提案で使える材料になる
  • 地域産品を扱う事業者は、常設・定期の販売機会として会場を使う可能性を検討する価値がある。ただし現時点で施設の仕様は決まっておらず、前提を置いた投資判断はまだ早い
  • 交通・観光の事業者は、鹿嶋市内で完結しない周遊の組み立て方を今のうちに検証しておくと、計画が具体化した段階で提案に移りやすい

08 / FAQ

よくある質問

このアンケートは、新スタジアムを建てることへの賛否を聞いているのですか。
違います。茨城県は「本アンケートは、新スタジアム整備の賛否を問うものではなく、基本計画の検討に当たり、皆様のご意見やニーズを把握するために実施するものです」と明記しています。聞かれているのは、期待する機能や役割、現スタジアムの課題、非試合日の利用意向などです。
誰が回答できますか。いつまでですか。
県民、鹿島アントラーズのサポーター、新スタジアムに関心のある方などが対象です。実施期間は2026年8月28日(金曜日)から9月15日(火曜日)まで。回答はウェブフォームから行います。
新スタジアムの場所や座席数、事業費は決まっているのですか。
県の公式ページには、建設地、規模、座席数、事業費、完成時期の記載がありません。基本計画はこれから検討される段階です。報道では2027年1月以降に基本計画をまとめ、2033年の開業を目指すとされていますが、いずれも目標として報じられているものです。
非試合日の利用について、どんなことが聞かれているのですか。
県は調査項目のひとつとして「非試合日における利用意向」を挙げています。具体的にどの選択肢が用意されているかは、回答フォームで確認してください。

09 / SOURCES

情報源

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